ピッチとストライドは、疾走速度に関係が深い
陸上競技をしている選手は、ピッチとストライドという問題に悩んでいる人が多いと思います!
ピッチは、どうしたら上がるだろうか?
ストライドは、どうしたら伸びるだろうか?
自分自身も、そのような経験があり、陸上について研究をしていきたいというキッカケにもなりました。
今日は、このピッチとストライドについて詳しく解説していきたいと思います。
ピッチ・ストライドどちらが速さにつながる?
これは、非常に興味深い結果が研究で示されています。
基本的にスプリントにおける疾走速度(走る速度)はピッチ✕ストライドで求められます。
疾走速度を高めるためには2つの方法があると考えられています!
1. ピッチとストライドの一方を増加させる
2. 両方を大きくする
また、ピッチとストライドにはトレードオフの関係があるとされています。これは、片方が上がると、もう片方が下がるという関係のことです。
つまりピッチが上がればストライドが下がり、ストライドを上げればピッチが下がるということです。
ここまでは基本的なことです。
ここから、様々な論文で紹介されているピッチとストライドの関係についてまとめていきたいと思います。
ピッチストライドの関係①
論文名
「世界一流スプリンターの技術分析」
この研究では、世界一流選手と日本人選手を比較して、疾走速度の違いはストライドにあることが明らかにされました!
しかし、日本人と海外の選手では、身長も体格もかなり違うのでストライドが違うということは驚くことではありません。
海外選手の素晴らしいところは、ストライドが大きいのに、ピッチは背の小さな日本人と変わらないというところです!
ピッチとストライドの関係②
論文名
「最大スプリント走時の走速度, ピッチ・ ストライド, 接地・滞空時間の相互関係と,競技力向上への一考察」
この研究では、大学陸上部に所属する短距離・跳躍競技を専門とする選手を対象とした実験です。この実験では、疾走速度とピッチとストライドの両方とも関係が見られませんでした!
その理由として、
レベルの近い選手では、それぞれの特徴にあったピッチとストライドを自動的に選択しているためだと説明されています。
https://www.sanspo.com/sports/photos/20190628/ath19062820370009-p1.htmlより引用
ピッチとストライドどちらも大切!
研究の成果から、基本的に目指すべきは、ピッチを高く維持したまま、ストライドを増加させることが重要であるということです。
ピッチは、基本的に技術的な要素で改善することができると考えられています。
ストライドは、身長や接地時間内に地面に加える力が大きくなれば増加すると考えられています。
ピッチを増加させるトレーニングを取り入れる人は、ストライドが下がらないように、ストライドを増加させるトレーニングを取り入れる人はピッチが下がらないようにすることを心がけることが大切です。
ピッチ型の選手とストライド型選手では、異なるトレーニングが必要であるということを理解できましたか?自分がどちらのタイプなのか考えて、練習メニューを組むことがパフォーマンスの向上につながります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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引用参考文献
伊藤章, 斉藤昌久, 佐川和則, 加藤謙一, 森田正利, 小木曽一之 (1994) 世界一流スプリンターの技術分析。 日本陸上競技連盟強化本部バイオメカニクス研究班 (編) 世界一流競技者の技術 (第 3 回世界 陸上競技選手権大会バイオメカニクス研究班報告書), ベースボールマガジン社, 東京, pp. 3149
土江 寛裕・櫛部 静二・平塚 潤(2010)最大スプリント走時の走速度, ピッチ・ ストライド, 接地・滞空時間の相互関係と,競技力向上への一考察 城西大学研究年報 自然科学編 (33), 31-36, 2010-03