筋肉の硬さと走る速さ
今回は、筋肉の硬さとパフォーマンスの関係について紹介したいと思います。
ここでいう筋肉の硬さというのは、ストレッチすることで伸びる筋肉のことです。
短距離パフォーマンスと身体の硬さ
順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科の宮本直和准教授らの研究グループは、筋肉の硬さと競技パフォーマンスの関係について調べました。
論文名「 Muscle stiffness of the vastus lateralis in sprinters and long-distance runners」
調べられた筋肉は外側広筋と呼ばれる筋肉でした。その結果、「硬く伸び縮みしにくい筋肉」を持つ選手のほうが100m走のタイムが速かったと結論付けられました。
これは、非常に興味深い報告であり、ニュースなどでも取り上げられたりしました。
https://www.juntendo.ac.jp/news/20190730-03.htmlより引用
長距離パフォーマンスと身体の硬さ
短距離の研究と同じ順天堂大学で行われた研究では、「柔らかく伸び縮みしやすい筋肉」を持っている選手が5000mの記録が良かったと報告されました。
これから、この筋肉の特性を変えるためのトレーニングについて様々な研究がされていくだろうと思われます。これからの10年間で長距離選手のトレーニング方法が、ガラッと変わってしまうこともあり得るかもしれません!
https://www.juntendo.ac.jp/news/20190730-03.htmlより引用
400m選手のパフォーマンスと足首の硬さ
最近の研究では、400m走のタイムが良いほど、ふくらはぎの筋肉の硬さが硬いという報告があります。
短距離選手において、ふくらはぎの硬さが硬いほど、接地時に足首をロックすることができ、足の「バネ」が使用することができるためだと考えられています。
足首を固めることができなければ、「バネ」は使用できません
ちなみにこの「バネ」というのは、筋肉ではなく腱という骨と筋肉をつなげる役割を担っている部分が関係しています。このことについては、今回は置いておきます。
このバネが強い選手は、一般的に100mを走らせても速い傾向があります。これは、よく400mの選手は、100mのタイムも速くなる必要があると言われている理由のひとつになっているかもしれません!!
https://www.jaaf.or.jp/news/article/11898/?player=7より引用
長距離選手と足首の硬さ
長距離選手では、足首の硬さに関して、硬い選手ほど5000mのパフォーマンスが高く、ランニング効率が良いという報告があります。
ちなみにケニア人選手は、日本人選手よりも足首が硬いことが知られています。このことから、ケニア人は、その特性からランニングの効率がよく、一般的にマラソンなどの競技で強いということです。
長距離選手でも、ジャンプ系の種目などをして、足首を固めるためのトレーニングは重要である可能性が考えられるようになりました!
http://www.kenyarep-jp.com/news/12/120228-04.htmlより引用
まとめ
競技によって必要な筋肉の硬さは違う!
ふくらはぎの硬さについては、硬いほどランニングには効率が良い!!
大切なこと
この話を聞いて単純にストレッチをしない!となるのではなく、ウォーミングアップとして活用したり、一人ひとりに合わせて活用して下さい!
しかし、ストレッチをしないから怪我をするということについて明らかにされた報告はないということも知っておいて下さい!!
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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