〜短距離選手こそ、筋力トレーニングするべき!〜
本記事では、短距離選手こそ、筋力トレーニングするべきである理由について、力と速度の関係から解説していきたいと思います!
https://www.kistler.com/ja/applications/sensor-technology/biomechanics-and-force-plate/より引用
まず、はじめに、これだけは伝えたいと思います。
「筋肉なんてなくても、速くなれる」や「筋肉をつけると動きが悪くなるからしない」と言っている人が周囲にいませんか?科学的にスポーツを分析している者が言います!
間違っています!!!
この記事を読んで、そんな事を言っている人がいたら分かっていないなと思えるようになって下さい。
短距離選手が使う筋肉はどんな筋肉?
筋肉を構成している筋繊維は、主に「速筋線維」と「遅筋線維」という二種類があります。名前から分かると思いますが、「速筋線維」が短距離選手に必要な筋繊維です。
速筋線維:短時間で大きな力を発揮するが、疲れやすい性質
遅筋線維:強い力を発揮できないが、疲れにくい性質
筋繊維についてまとめた画像を貼っておきます。
出典 法研「からだと病気のしくみ図鑑」からだと病気のしくみ図鑑について
筋肉と速度の関係
ここからが、本題です。
短距離選手に必要な筋繊維は、速筋線維だから筋力トレーニングをして筋トレするべき!とは、ならないで下さい。
実は、発揮する力は動作時間と関係が深いのです!!
下の図は、発揮する力と速度の関係は示しています。
https://sprint-condition.info/category38/entry409.htmlより引用
この図で大切なことは2つあります。
1.筋肉を使う時間が長いと、力は大きくなる。
2.筋肉を使う時間が短いと、力は小さくなる。
少し難しいですね。仕組みを理解したい人は、専門的な学びを大学などで行ってみることをおすすめします。ここでは、簡単に説明したいと思います。
行う動作の時間が短ければ短いほど、大きな力は発揮しにくいということです!
ここで思い出して見て下さい。
短距離選手が推進力を得るためには、地面反力を大きくする必要がある。つまり、地面に大きな力を伝えることが大切だと言いました。
https://sprint-condition.info/category1/entry22.htmlより引用
このことについては、過去記事で理解してから、この記事を読んで頂くことをおすすめします!
前回の記事と本記事の内容と合わせて考えるとこうなりませんか?
短距離選手は・・・
・地面に大きな力を加えないと、推進力が得られない。
・動作時間が短いほど発揮できる力が小さい。
そうです。矛盾がありますね。
短距離走のように地面に足がついている時間が短い競技は、その瞬間に大きな力が出せないのです!
これは、科学的に証明されている事実です!!
この問題を解決するために、筋力トレーニングをするべきなのです。
筋力トレーニングの効果
これまでで、筋肉は短い時間では大きな力を発揮することができないことが分かりました。では、短距離選手が筋肉を増やしても、力を発揮できなければ意味がないと思うかもしれません。
筋肉トレーニングしたあとの、力ー速度の関係はどうなるのか見て下さい。
https://sprint-condition.info/category38/entry409.htmlより引用
軽い負荷での筋力トレーニングをすることで、瞬間に発揮する力を増加させることができるのです!
また、重い負荷でのトレーニングでは、長めの時間に発揮する力が増加するのです!
軽い負荷のトレーニングは、主に中間疾走〜の動作に役立ちます。重い負荷でのトレーニングは、主にスタート局面などで、役に立ちます。
これらの違いは、地面に足がついている時間がスタート局面は比較的長く、加速してからは短くなるためです。
しかし、中間疾走からを伸ばしたいからといっても、軽い負荷のトレーニングだけするのではなく、重い負荷のトレーニングを行うことは非常に重要になってきます!
何事でもそうですが、バランス良く力をつけていくことが、身体のバランスを整えて、パフォーマンスの向上につながるということです!
本記事で説明したことが、短距離選手が速くなるために必要な視点の一つです。
まとめ
・短距離選手は、短い時間に大きな力を発揮している
・スタート局面は、重い負荷でのトレーニングが有効
・加速してからは、軽い負荷でのトレーニングが有効
少しは、トレーニングの科学に興味を持っていただけましたか?もし、良ければ他の記事も読んでみて下さい!